宮沢賢治「夜鷹の星」でハブルータしてみました!

大勢の日本人が宮沢賢治の童話や詩に親しんでいると思います。夜鷹の星もその一つ。

ハブルータをしてみて、そこには三つの死が描かれている、と気付きました。

一つ目は、食物連鎖の死。

二つ目は、抹殺による死。

三つ目は、自ら選ぶ死。

夜鷹は、自分は羽虫やカブトムシを殺して食べ、そういう自分が今度は鷹に殺される、と言っています。そして辛い、辛いと鳴くのです。

一つ目。食物連鎖は、命がより高位の命に取り込まれて全体が生かされていく宇宙の法です。霊長類の最上位に居る人間は、自分の命を差し出して次の命を生かしてきた無数の命に感謝して生き、全ての命が平安に生きていけるように責任を持たねばならないです。でも食べること=殺すことと、罪悪のように思っていた夜鷹。

二つ目。人が人を自分の主義や都合や好みで殺していいなどという法はどこにもありません。ナチスのユダヤ人抹殺、中共のウイグル人抹殺などはあってはならないことです。いじめや嫌がらせや脅しは、人格殺人です。こういう死は決して容認してはならない死です。

三つ目。夜鷹はひたすら月や太陽や星に、そばに行きたいと願い、ついに死んで星になります。理解されず受け入れられずにいる人々を見守るように、星に…。でも私は、夜鷹は死なないで人々の希望の星になることはできなかったのか、と思いました。夜鷹は、誰かに相談すらしていないではないか…。

2020年の自殺者の総数は2万1千人。社会の根底に「人の共感や愛」を信じない何かがあるのでしょうか。「人に迷惑をかけたくない」は体裁よいけれど。ひと(人間)は「自分ならこうするこう考える」を、ひと(他人)もそうだと思って行動を起こすそうです。

一人では生きられないのです、相手が必要なのです。相手を大切に生きるのが守りだと思います。そうでなければ、孤独な夜鷹の星は増え続けるのではないでしょうか。

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