第14章「家庭内で行う性教育」

子育てにおける最重要ポイント

福山ゆり著アマゾン書籍「世界を動かすユダヤ人の子育て14の秘訣」から、各章のポイントを簡単に掲載しています。先回の第13章「 倦怠期のないユダヤ人夫婦の習慣 」では、いつまでも新婚・アツアツ夫婦でいるための、様々なヒントをご紹介してきました。ビジョンを共有し、仲の良い夫婦でいることこそが「子育てにおける最重要ポイント」ですね。

「我が子へ安全な性教育」を提供したい

今回は、いよいよ最後の章となりました。「家庭内で行う性教育」編についてお話ししていきます。「性教育」皆さんは、この言葉にどんな反応を示されますか。

“やらなきゃいけないのは分かっているけど、何となく恥ずかしい”
“(子供は)年齢を重ねるうちに自然に知っていくものだから、無理に早く教えると早熟してしまうのでは?”
“親が‘性’について語るなんて!親の代わりに、学校や専門機関でやってもらいたい~”

このような言葉が浮かんできます。

包括的性教育

私たち親世代が子供の頃には、紙媒体やビデオくらいしか「性情報」に接する機会はありませんでした。けれども21世紀を生きる我が子達は、インターネットを通じて“歪曲された性情報”にいくらでもアクセスできる環境にいます。一方で、学校や性教育専門機関に、我が子の性教育を任してしまって、本当に大丈夫なのでしょうか。

昨今日本では“ユネスコが推奨する“西欧社会の性教育スタンダード”という謳い文句で「包括的性教育」と呼ばれる性教育が、教育現場に輸入されようとしています。実はこの「包括的性教育」、すでに導入されている西欧諸国や韓国で大きな問題となっており、その副作用として‘早期性愛化’(判断が未熟な学生たちに、‘過激な性的自己決定権’を注入し、責任のない自由と権利のみを増長させる)を引き起こしています。では私たち親は一体どうやって「我が子へ安全な性教育」を提供していくべきなのでしょうか。

「性」とは「生命・血統」が連結していくもの

まず前提として、「性教育」とは、ただ単に安全な避妊方法等の「性の知識」を教えることではありません。「性」は人間にとって、決して切り離すことができないもの、というよりも「性」が存在しなければ人類は存在・繁栄していくことができません。「性」に「愛情・信頼・責任」がなければ、私たちはただの「動物」であり、刹那的&無責任な性行為とは「愛の表現」でなく「情欲」以外のなにものでもありません。

「性」とは「生命・血統」が連結していくものであり、性的規範・道徳は、その社会・国の未来に関わっていく重要なものです。ある一定期間、学校や専門機関で「知識」のように教える、そんなシロモノではないのです。「性的規範・道徳」が乱れることで、個人の人生はもちろん、家族・社会全体に大きなダメージを与えていくことは、誰しもが決して否定できない事実です。

「結婚・男女の結合」は、とても神聖なもの

他の民族よりも離婚率が圧倒的に低く、夫婦が円満でいられる秘訣を持っているユダヤ人ですが、彼らは一体、どんな性教育を子供に施しているのでしょうか。彼らの「性教育」は深い信仰(倫理・道徳)がベースとなって、「親から子へと」「家庭の中で」性を教えてこそ、最も説得力があり、教育効果の高いものになっていくことを知っています。では、なぜ「性」を、家庭の中で教えていくべきなのでしょうか。

ユダヤ人の結婚観でご紹介した通り、彼らは「結婚・男女の結合」を、とても神聖なものとして捉えています。なぜならば、神の前に永遠の愛を誓って結婚した男女の結合(夫婦の契り)こそが、「(選民としての)新しい生命の出発点」になると、固く信じているためです。ユダヤ人の信仰教育(価値観教育)が親の大切な役目であるように、親が子供に施す性教育とは決して知識・情報の伝達であったり、他人任せにするものでなく、親としての大切な役目であり「家庭生活の中で継続して(子供の成長に応じて)」教えていくべき、という自覚があります。

ラビと呼ばれるユダヤ教の宗教指導者は、妻帯者でないとなれない、とされています。家庭を持たずには、真の意味で社会的な指導者となれず、妻・子供を大切にできない人物を信じることができない、からです。この点は、日本人の私たちでも共感できる点だと思います。どんなに社会的なステイタスが高かったとしても、すぐ横にいる家族(特に配偶者)をないがしろにしたり、性的な側面で傷つける(不倫や家庭内暴力等)人を、私たちは決して尊敬することはできません。

正しく伝える「性教育」

子供に「性」を話すことを、妙に恥ずかしがったり、照れたりする必要はありません。

“あなたが生まれくることを、パパとママは心から望んでいた。そして深い感謝と喜びの中で、あなたの誕生を迎えたのよ。パパとママだけじゃないわ。あなたの中に流れる、この血(血統)は、数えきれない祖先たちが一生懸命に「愛と命のバトン」を繋いできた証拠なのよ”

こう伝えることが「性教育の第一歩」だと思います。家庭で、深い信頼関係と愛情を込めて伝える「親による性教育」。これは子供にとって「美しく価値ある性」を伝えることであり、「生まれてきて良かった。生きているだけで両親を喜ばしている」そう子供が思うことこそが、何よりも意味のある「性教育」なのではないでしょうか。

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15回にわたる連載シリーズを終えて

去年から15回にわたって連載してきた、アマゾン書籍ご紹介シリーズ記事を通して、日本ハブルータ教育研究会が、今後どんな軸を中心としてハブルータ教育を日本で拡散していきたいのかを、お伝えする機会を持ちました。

もちろんユダヤ式家庭教育の全てが、日本人の私たちや、日本人家庭にピッタリ合うとは思っておりません。けれども、ユダヤ式家庭のエキスを抽出して「良き人生・幸福な家庭と社会」を作っていく際に参考となる点を、これからも日本ハブルータ教育研究会ではご紹介していきたいと思っております。

今後は別書籍・講演でも、ユダヤ式家庭教育と、その真髄であるハブルータについての情報や知識をアップデートしていく機会を持てれば幸いです。ぜひお楽しみに^^。

15回にわたる連載シリーズを読んで下さり、ありがとうございました。

第14章「家庭内で行う性教育」” に対して2件のコメントがあります。

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