<七夕の日イベント>福山ゆり講話・ 『善き夫婦になるために~ユダヤ人家庭から学ぶ夫婦円満の秘訣~』④

『善き夫婦になるために~ユダヤ人家庭から学ぶ夫婦円満の秘訣~』

結婚を通じて「人」になる

ユダヤ教における結婚は、聖書に記された「神が男と女を創造した」という言葉に基づいています。この言葉において、男と女は単に生物学的に異なる性別を持つ存在ではなく、神によってそれぞれ異なる役割と使命が与えられた、補完的な存在であるとされています。男と女が一つになることによって、神が創造した完全な「人間」の姿が現れると考えられています。この「完全な人間」とは、単に物理的な存在として生きることではなく、精神的、霊的に成熟した存在として神の意志を実現するために生きることを意味しています。

ユダヤ人の結婚観において、男性は理性、論理、秩序、法則を象徴し、女性は感受性、愛情、直感、育む力を象徴します。この異なる特性は、どちらか一方が欠けても完全な人間として生きることができないことを意味します。結婚を通じて、男性は女性の感受性を学び、女性は男性の理性を学ぶことで、お互いが持つ違いを相互に補完し合うことが求められます。このプロセスを通じて、二人は「神の御姿」を反映し、神の意志に従った家庭を築き上げることができます。
ユダヤ人の結婚観は、「二人が一つとなる」という概念を強調します。これは、物理的に一つになるだけではなく、精神的にも、感情的にも、そして霊的にも一つになることを意味します。ユダヤ教では、夫婦が互いに信頼し、支え合い、愛し合うことを通じて、神の意志を地上に実現する責任を果たすとされています。これはただのパートナーシップではなく、神からの使命としての結びつきであり、夫婦はその使命を果たすために互いに成長し合うことが求められます。

ユダヤ人の結婚観における最も重要な概念は、結婚を通じて「人間として完成する」ということです。ユダヤ教では、男女がそれぞれ一人で存在しているときには「半人前」であり、結婚を通じて初めて「完全な人間」となると教えられています。創世記には、「神が男と女を創造した」と書かれており、男女が一緒に生きることによって、神の姿を反映し、人間として完成するのだとされています。

この「完全な人間」という概念は、男女の役割の補完によって成り立ちます。男性と女性は、互いに異なる特徴を持ちながらも、結婚という絆を通じてそれぞれの欠けている部分を補い合い、一つの家庭を築くことができるのです。ユダヤ人にとって、結婚は単なる個人的な選択ではなく、神が定めた「義務」であり、家族を築くことは神から与えられた最高の祝福です。

また、結婚は個人の人生の目的や目標を実現するための道でもあります。ユダヤ人は、結婚を通じて「選民教育」という重要な使命を果たすと考えています。結婚を通じて生まれる子どもたちは、単なる家族の一員ではなく、神の選ばれし民として育てられ、未来の社会を築く重要な役割を担うとされています。このため、夫婦は常に「良き父母」「良き夫婦」を目指し、その生き方が子どもたちや共同体に良い影響を与えるよう心がけています。

夫婦の成長と共同体への影響

ユダヤ人にとって、結婚生活の中で夫婦がどれだけ成長し、互いに学び合うかは非常に重要です。結婚は、単に家庭内の役割を分担するためのものではなく、人生を通じてお互いがどのように神に仕え、神の意志を実現するかを学ぶ場でもあります。男女は結婚を通じて、相手に対して愛情を示すだけでなく、共に神に仕える方法を学び、それが家庭、共同体、ひいては社会全体に良い影響を与えるとされています。
結婚を通じて一人前の人間として成長できるというユダヤ人の結婚観は、現代の家族観にも大きな示唆を与えています
結婚生活では、相手を理解し、補い合い、共に成長していくことが求められます。
これはユダヤ人に限らず、世界中のさまざまな国や民族の男女が、長い歴史の中で「結婚を神聖なもの」としてきたことからもよくわかります。
今回の講義を通してユダヤ人の結婚観において、夫婦が同じ方向を向いていることが非常に重要であると感じていただけたと思います。
私たちも夫婦として「どこを目指して生きるのか」「どんな家庭を作りたいのか」といった根本的な部分で価値観を一致させておくことが大切だと思います。これがあれば、少々の違いであれば気にならなくなりますし、お互いの違いを楽しむことができるようになります。
今日学んだことを明日からの実践に活かし、自分自身と対話を重ねながら、どんな人生を送りたいのかをしっかりと考えていきたいと思います。
ご清聴ありがとうございました。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です