<こどもの日イベント>福山ゆりミニ講 話・ユダヤ人の家庭教育から学ぶ「男の 子の育て方」③
下記は5月12日に行われたこどもの日イベントでの
福山ゆり代表による講話文字起こしです。
次回は7月7日“夫婦を題材としたオンライン・イベントを開催予定です!
沢山のご参加をお待ちしております。
ユダヤ人の家庭教育から学ぶ「男の子の育て方」
第5のポイント:信仰とつながった経済教育
第5のポイントは、「経済教育と信仰の関係」についてです。
ユダヤ人家庭では、経済教育を単なるお金の管理や職業選択にとどまらず、信仰や価値観と深く結びついた人格形成の一環として教えています。
あるユダヤ人のことわざに、こんな言葉があります。
「父親が息子に経済教育をしないことは、彼を泥棒にするようなものだ。」
それほどまでに、男の子に対する経済教育の重要性が強調されているのです。
特に父親は、息子に“生きる力”を教える責任を持っています。技術を習得させたり、知識をつけさせたり、仕事の基礎となるものを幼いうちから準備していくのです。
ユダヤ人は、いつどこで迫害され、追い出されるかわからないという過酷な歴史を生き抜いてきたため、「どこでも生きていける力」を子どもに授けることが親の責任だったのです。
ただし、彼らの経済教育の特徴は、「いかに稼ぐか」から始まるのではなく、「いかに価値ある目的のために使うか」から始まるという点です。
幼い頃から「ツェダカ(正義・慈善)」と呼ばれる寄付の貯金箱を家庭に置き、お小遣いの一部を困っている人のために使う習慣を育てていきます。
この貯金箱は、家族旅行のための貯金箱ではなく、「同じ共同体の誰かを助けるためのもの」。
お金は汚いものでも、単なる手段でもなく、「社会をより良くするために用いる崇高なツール」であるという価値観が、幼いころから教えられます。
お金の話になると、日本では「いやらしい」とか「がめつい」と思われがちですが、ユダヤ人はむしろ「お金に善悪はない」「使い方こそが重要」という考え方をしています。
お金を稼ぐことに罪悪感を持たず、むしろ人を助ける力としてポジティブに捉える教育がなされているのです。
やがて成長すると、次に教えるのは「どう稼ぐか」。
ここでも単なる収入の手段としての仕事ではなく、「あなたはこの社会にどんな価値を提供できるのか?」という問いが出発点になります。
お金を稼ぐということは、誰かを助け、喜ばせるサービスを提供することで初めて成り立ちます。
つまり、「自分の仕事が誰かの役に立つこと」が、経済活動の本質であると教えていくのです。
そして最後に教えられるのが、「お金を守る力」。
投資・管理をする力を教えていきます。
いわゆる「お金の主人になる」ためのスキルです。
収支のバランスを学び、自分の人生を主体的に設計できるようになること。
これが、ユダヤ人にとっての実践的な経済教育(マネーのIQ教育)なのです。
このような経済教育は、もちろん男の子だけでなく、女の子にとっても必要ですが、特に息子たちにとっては、「自立」と「責任感」を育てるための核心になると、私は感じています。
お小遣いを与えるだけではなく、「なぜ稼ぐのか」「なぜ使うのか」「何に価値を見出すのか」
こうした問いを通して、経済と精神、そして信仰と責任をつなげていく教育が、ユダヤ人家庭では行われているのです。
まとめ
本日は、「ユダヤ人家庭に学ぶ男の子の育て方」について、5つの視点からお話ししました。
- 夫婦の育児観の一致、性別による役割分担と共同育児
- ハブルータを通じた思考力と対話力の育成
- 安息日の文化が支える家族中心の価値観
- 13歳の成人式(男の子の成人式バル・ミツバ)とアイデンティティの確立
- 信仰とつながった経済教育
私自身、新米ママだった13年前は 「母親として完璧でいなければ」と思い込んで、ひとりで育児を抱え込んでいました。
でもハブルータに出会い、夫婦で「価値観の共有」から始めることの大切さに気づきました。
育児とは、母親一人で背負うものではありません。
父親とともに、共通の価値観のもとに問いを育み、子どもを一人の人間として導いていく。
それが、現代の社会でこそ必要な家庭教育だと、私は信じています。
そして今、ChatGPTなどのAIが台頭する時代だからこそ、「自らの質問を作りだす力」を育てるハブルータの価値は、ますます高まっていくと感じています。
皆さんのご家庭にも、ぜひ今日のお話の中からヒントを取り入れていただければ幸いです。
ご清聴、ありがとうございました。
次回は7月7日、七夕の日を記念してオンラインイベントして開催いたします。
詳細・お申し込みはこちらをご参照ください^^↓
【日時】
7月7日 月曜日 午前10時30分から12時
【参加費】
1,500円(銀行振込 or PayPal)
【参加締め切り】
6月30日 月曜日
【申し込み、お問合せ】